閉じこもって閉じこもって閉じこもってその向こうには
一つずつ減っていく数字をぼんやりと眺め
今にも暴走せんとす右の腕を押さえ込んで
名探偵になりきって
不動のアルカイック・スマイル
終わりなく続く数列と実生活との共通点
随分と夢のない事を言ってくれるな
理想に溺れて
伸ばした手はふわりと広がった黒い髪を掠めた
堕落したユニコーン
----------
そして全てが灰燼に帰す時
言えなかったその一言と言ってしまったあの一言の
稚拙な不死論
相互不干渉に於ける最大の契約
例えばこの瞬間、この声が君に届かなかったのなら
今はただ安息に溺れていればいい
手を伸ばせばそれはすぐそこにあるかに思えたのに
高く高く積み上げた、そして全ては崩れ壊れた
赦されはしないと知りながら彼はその手を
人は何故音の集まりに感動を覚えるのか
----------
知的設計者に告ぐ
世界を繋ぐ小さな手
アタシはそんな幻想に今も縋って
花に飢え、逃げる水
私は気付いていないように、彼は気付かれていないように
どこかで、だれかが、わたしを、
人生漂流記
滂沱として流れ滴る涙に触れた唇が
思いも掛けぬ邂逅に、笑うべきか、泣くべきか
刹那に崩れ消える花、夜空に咲き誇る
----------
君を殺して一人で生きる僕にシアワセは
今となっては神のみぞ知る
一滴(ひとしずく)の生命力
ただ前を見て、ただ前に進んで
星を眺めて考えた
薄暗い本棚から静かに、本を引き抜いて
私が死ねば君は花束をくれるだろうか?
崩れ落ちる身体、飛び散る鮮血、残った唯一の
自由という名の誓約に縛られた
小休止の合理性
----------
雨傘、防ぐモノ、難攻不落の要塞
逢魔が時、世界は滲んだ
願わくはこの幸福が変化を知りませんよう
全ては感情の統治下
浅ましい夜の旅
愛を伝えるエーテルは消えた
私は私が私であるが為に何をする?
その人々乱鴉の如く
我が宿敵よ、ただ信じて徒花とあれ
神は常に人とその心と共にある
----------